それぞれにメリット・デメリットがありますが、共通して言えることは、時間が必要ということではないでしょうか。現経営者が考える後継者育成に必要な時間として、5割以上の経営者が5年から10年は必要と答えています(中小企業白書2006年度版)。
・親族内承継
メリット ・社内外の関係者との関係を壊すおそれが比較的少ない。
・後継者選定が容易で、準備期間を確保しやすい。
・事業の出資者と経営者の分離・衝突を避けやすい。
デメリット ・親族内に能力と意欲を備えた適当な人材がいるとは限らない。
・複数の相続人がいる場合、株式や事業用資産の相続でトラブルに発展する可能性がある。
・親族外承継(従業員)
メリット ・候補者を確保しやすい。
・技術や知的財産の承継がスムーズにできる。
デメリット ・親族内承継と比較すると、社内外の関係者との関係を壊すおそれがある。
・後継者が経営を承継するための資金(株式の買取、保証債務の承継等)力がない場合が想定される。
・親族外承継(第三者)
メリット ・親族や従業員に適当な人材が確保できない場合でも、候補者を広く外部に求めることができる。
・事業承継による利益(株式や資産の売却等)を現経営者が獲得できる。
デメリット ・事業の引継ぎや雇用の継続等について現経営者が考える条件を満たす買手を探さなければならない。